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2019年2月11日 (月)

ベルサイユのばら45

東京国際フォーラムで開催された「ベルサイユのばら45~45年の軌跡、そして未来へ~」を観てきました。
宝塚がベルばらを上演して、45年だそうです。


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初演の頃、私は小学生。ベルばらの原作ファンでしたが、宝塚というものを知りませんでした。
たまたま、土曜日の午後にNHKで放映されていた劇場中継を観て、夢中になりました。
まさに漫画の世界がそのまま現実になったような宝塚の世界。

地理的に言えば、宝塚というのは私が住んでいる鳥取県のお隣、兵庫県です。近いとは言えませんが行くことの出来ない距離ではありません。
しかも親戚が関西にいて、宝塚のファンクラブに入っているいとこまでいたのです。
小学生とはいえ、観に行くことが不可能ではないはずでした。

ところが。
宝塚の舞台が大ヒットしたことで、我が家では父からベルばら禁止令が出ることになりました。

うちの父は文化的なことには全く興味がなく、ベルばらがどんな漫画なのか知りません。しかし、宝塚のヒットで、「ベルばらはフランス革命の話である」ということだけを知ったようです。

私が物心ついた頃、そして弟が産まれた頃は、安保闘争、安田講堂、内ゲバなんてニュースが連日新聞を賑わせていました。
親たちは「うちの子は大学生にはしない」と決意してたらしいです。
実際、私が看護系の短大に入った時に、学生自治会のバックが民生同盟だと知った親たちが、学生集会に出ないように言ってきた、と同級生からも聞きました。

そんな背景もあり、「革命」を扱うものをみるなんて言語道断。父はそう判断したようです。

普段は滅多に我が子にダメ足しをすることのない父親の禁止令は絶対。
我が家では父の前でベルばらについて口にすることは許されなくなりました。

ただ、うちの父は漫画も舞台もさっぱりわからない人だったので、自分の部屋で漫画を読むことはできましたし、イラストを飾っててもわかってなかったと思います。
テレビの舞台中継も大抵父のいない時間にやってましたから、観ることはできました。
でも、宝塚の舞台を観に行きたいとねだることだけはできませんでした。

中学3年生で関西に修学旅行に行けば、宝塚に行ける。ひとつ上の学年の先輩から修学旅行でベルばらを観てきたなんてお土産話を聞きながら、希望に胸を膨らませていました。
ところが、私たちの年から修学旅行のルートから宝塚が削除されてしまいました。おそらく、ベルばらのヒットで団体が行きづらくなったんだろうな、と今なら思います。が、当時の私たちにしてみれば凄いショックでした。

そんなこんなで生の舞台を観ることはかなわないまま、宝塚の舞台は終了してしまいました。

その後の再演は、すでに自分の中でのピークが過ぎてしまったこともあって食指は動かず、だから今回の舞台が私にとっての初宝塚版ベルばらでした。

ビデオはおろか、テープレコーダーすら一般家庭には普及していなかった時代。
テレビの劇場中継以外で手に入れることができるのは、舞台の音声だけを収録したレコードでした。
お小遣いを貯めて買った初演のLPレコードを、毎日毎日、それこそ覚えるほど聴き続けました。

その時のマリー・アントワネット役が今回出演された初風 諄さんでした。自分の中に刷り込まれているあの歌声が生で聴ける。しかもあの素晴らしい歌声のままで!

45年もたっているのです。
声も演じ方も変わります。本音を言えば、衰えている方もいらっしゃいます。
再演以降のキャストの方の演技は、初演と違って好みではないものもありました。

けれども初風さんのあの歌声は、記憶の中の声とぴったり重なって、あの当時に観に行くことの出来なかった宝塚の舞台へと、私を連れていってくれました。

耳だけで覚えた名曲の数々を口パクで口ずさみながら、ぼろぼろと涙がこぼれました。
よかったね、あの頃の私。焦がれに焦がれた舞台が観られたね。焦がれに焦がれたあの頃の気持ちが取り戻せたね。

「いつか」はやって来ない。
「今」を自分で決めて、行くしかない。

今回は、たまたまお友だちがこんな舞台を観に行ったよ~というのを聞いて、すぐに調べたらチケットがとれたので観に行くことが出来ました。そのあとはどうやらチケットは完売していたらしいです。

だからね。
どうしようかな、と迷ったら、とにかく行った方がいい。
次があるとは限らないのです。

教えてくれたお友だちも、本当にありがとう。

レコードからCDにダビングできるプレーヤーを買わなくちゃなぁ。

2019年2月2日昼の部 東京国際フォーラム ホールC

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コメント

こんな公演があったのかぁ。
いいなー。カンちゃんの生歌。

アタシがカンちゃんを観たのは、ベルばら初演シリーズの最終、星組公演が最初で最後だったけど、カンちゃんが一緒だとツレちゃんもショーちゃんも霞む霞む。
今は「娘役」だけど、カンちゃんは「女役」。
彼女以降、彼女以上の「女役」に出会ってません。ぎり、ピーコさんくらいかな。まぁ、劇団側が「女役」を望んでないからってのもあるんだけど。

投稿: はな子 | 2019年2月11日 (月) 21:01

>はなちゃん
素晴らしかったよ!
この公演は大阪でもあるそうです。
鬼籍に入られた人も多いので、本当に観られるときに観て欲しい。

投稿: いちのせけい | 2019年2月11日 (月) 22:34

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